
結婚が決まって準備を進める中で、結納金の話題が出た瞬間に現実味が増し、気持ちが重くなることがあります。
「結納金払えないかもしれない」「相場の100万円前後は厳しい」「払えないと失礼になるのだろうか」といった不安は、決して珍しいものではありません。
一方で、結納そのものを行うカップルは少数派になっており、顔合わせ食事会を中心に柔軟な形へ移行しているのが実情です。
この記事では、最新の調査データを踏まえながら、結納金を払えない場合に取り得る選択肢と、両家の気持ちを損ねにくい進め方を整理します。
読了後には、金額だけに振り回されず、納得感のある着地点を探すための具体的な手順が見えるようになるはずです。
結納金払えない場合でも、進め方は複数あります
結納金を払えない場合でも、結婚の進行が止まるとは限りません。
結論としては、「結納をしない(顔合わせ中心にする)」「結納金の額を調整する」「結納金の代わりに別の負担でバランスを取る」といった複数の選択肢が現実的です。
ただし、結納金は両家の価値観や地域性が反映されやすく、新郎さん側だけで一方的に決めてしまうと誤解が生まれやすいと考えられます。
当人同士で状況を共有した上で、両家が「納得できる形」を作ることが重要です。
結納金を「払えない」と感じやすい背景があります
結納をする人自体が少数派になっています
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」では、「結納をした」カップルは全体の約7%とされています。
つまり、現在は結納を行わず、顔合わせ食事会のみで進めるケースが主流になっています。
この流れの中で、結納金を前提にしない進め方も広がっていると考えられます。
結納金の平均は約95万2,000円とされ、負担感が大きいです
同調査では、結納金を用意した人の平均は約95万2,000円で、50万〜150万円未満が約6割とされています。
金額は50万円・100万円など、いわゆる「キリのよい額」が選ばれやすい傾向があります。
ただ、結婚準備では他にも費用が発生します。
新居の初期費用、家具家電、引っ越し、婚約指輪、結婚式、写真、ハネムーンなどが同時期に重なるため、結納金だけを単独で捻出するのが難しい局面が起こりやすいと思われます。
「結納金なし」は可能ですが、進め方に注意が必要です
マナー解説や式場の案内では、「結納をしない」「顔合わせのみで結納金(支度金)なし」という形自体は失礼ではない、と説明されることが多いです。
一方で、注意点としてよく挙げられるのが、新郎さん側が一方的に「払わない」と決めることです。
結納金は「贈り物」「区切り」「家同士の儀礼」としての意味合いも持つため、新婦さん側の親御さんの受け止め方によっては、気持ちの面で溝が生まれる可能性があります。
地域差・家の方針で「当然」とされることがあります
結納や結納金は、家や地域の慣習に左右されます。
親御さん世代には「結納は必要」「結納金は嫁入り支度の一部」といった価値観が残っている場合があります。
このため、当人同士が合理的に判断しても、親御さんの立場では「手順を飛ばされた」「娘を軽んじられた」と感じる可能性も否定できません。
法的には「払えないこと」自体は問題になりにくいです
結納金は一般的に贈与とみなされるお金です。
ただし、結納金を払わないことや減額すること自体に、直ちに法的な問題が生じるとは考えにくいです。
税務面では、高額になり過ぎる場合に贈与税の検討が必要になる可能性がありますが、一般的な範囲であれば大きな論点にならないと説明されることが多いです。
不安がある場合は、税理士さんなど専門家へ確認されると安心につながります。
結納金を払えないときの選択肢と進め方
結納をやめて「顔合わせ食事会」に一本化する
最も現実的で、現在の主流にも合っている方法が、結納を行わず顔合わせ食事会を中心にする進め方です。
この場合、お金の授受は以下のように柔軟に設計しやすいです。
- 結納金はなしにする
- 代わりに「支度金」「結婚準備金」として少額を渡す
- 食事会費用を新郎さん側が多めに負担する
儀礼を簡略化しつつ、敬意や誠意は別の形で示すという発想が取りやすいと考えられます。
結納金の「減額」または「分割」で合意を目指す
結納金は相場が意識されやすい一方で、相場どおりにしなければならないものではありません。
たとえば、30万円〜50万円程度に抑える、もしくは分割の考え方を取り入れるという選択肢があります。
具体的には、
- 結納時は30万円にして、残りは新生活のタイミングで別途負担する
- 親御さんに一部を援助してもらい、本人は可能な範囲を負担する
などが考えられます。
結納金は金封に個々の負担者が明示されないことが多く、結果として「両親の援助が入る」設計もしやすいと言われています。
結納金の代わりに「生活に直結する費用」を負担する
結納金をゼロにするか、あるいは抑える代わりに、別の費用でバランスを取る方法もあります。
たとえば、以下のような負担の仕方です。
- 結婚式費用を新郎さん側が多めに出す
- 新居の初期費用(敷金礼金、仲介手数料など)を新郎さん側が負担する
- 家具・家電の主要部分を新郎さん側が負担する
- ハネムーン費用を多めに負担する
親御さんによっては、形のための結納金よりも、現実の生活が安定する負担の方が納得しやすい可能性があります。
ただし、伝え方を誤ると「結納金をケチっている」と受け止められる可能性もあるため、説明の順序と敬意が重要です。
新婦さん側から「不要」と言ってもらえる形を整える
マナーの説明では、結納金を「なし」にする場合、受け取る側(新婦さん側)から「不要」と申し出る形が角が立ちにくいとされることがあります。
そこで、当人同士でまず話し合い、可能であれば新婦さんが親御さんへ「結納金はなくてもよいと思う」と説明してもらう流れが考えられます。
新郎さん側が最初から「払えないので無しでお願いします」と言うよりも、合意形成がスムーズになりやすい可能性があります。
場面別の具体例でイメージを固める
具体例1:顔合わせのみで、支度金を「気持ち程度」にするケース
新郎さんと新婦さんが、結納の実施自体にこだわりがない場合に選ばれやすい方法です。
たとえば、
- 結納は行わない
- 顔合わせ食事会を実施する
- 結納金は用意しない
- 代わりに支度金として10万〜30万円程度を包む
といった形が考えられます。
このとき重要なのは、金額の大小よりも、事前に両家で「結納は行わない」ことを合意しておく点です。
合意がある状態での「簡略化」は、失礼とは直結しにくいと考えられます。
具体例2:結納金は50万円に減額し、式費用を多めに負担するケース
親御さんが一定の「形」を大切にしている場合は、完全にゼロにせず減額で折り合うケースがあります。
たとえば、
- 結納は簡略化して実施する
- 結納金は相場より抑えて50万円にする
- 結婚式費用は新郎さん側が追加で負担する
といった設計です。
ポイントは、結納金だけで判断せず、結婚に必要な支出全体の中で、どこをどう負担するかをセットで説明することです。
「結納金が厳しい」という話が、「結婚への覚悟が薄い」という誤解につながらないよう、トータルの責任を示す姿勢が大切です。
具体例3:親御さんの援助を一部受け、本人負担と組み合わせるケース
結納金が大きな負担になる場合、親御さんが一部援助するケースも見られます。
この場合は、たとえば、
- 結納金のうち、親御さんが60万円を用意する
- 新郎さんが40万円を用意する
のように分けることが考えられます。
親御さんの支援が入ること自体に抵抗がある方もいますが、結婚は家族の節目でもあります。
無理な借金や生活の破綻を避けることが優先されると考えられます。
具体例4:結納金を省略し、新居費用を新郎さん側が負担するケース
「形より実利」を重視する両家では、結納金を省略し、新生活の立ち上げを優先する合意に至る場合があります。
たとえば、
- 結納は行わない(または略式にする)
- 結納金はなし
- 新居の初期費用と家具家電を新郎さん側が中心に負担する
この進め方は合理的ですが、親御さんにとっては「結納金がない」事実だけが先に見える可能性があります。
そのため、「新生活の基盤を整えるために、こちらでこれだけ負担します」という説明を丁寧に行うことが重要です。
両家で揉めにくくするための話し合いの順序
最初に当人同士で「数字」をそろえます
まずは当人同士で、現状を見える化することが有効です。
- 貯金額
- 毎月の手取り
- 親の援助の有無
- 新居・引っ越し・式などの見込み費用
ここが曖昧だと、「払えない」が気持ちの問題に見えてしまい、対話が難しくなる可能性があります。
「結納金だけ」を切り出さず、結婚費用全体で説明します
親御さんは、結納金を「誠意の証」「儀礼」として捉えることがあります。
そのため、結納金だけの話をすると、ゼロか100かの議論になりやすいです。
おすすめは、
- 結婚準備に総額でどれくらい必要か
- 新郎さん側として総額でどれくらい負担できるか
- その中で結納金に回せる範囲はいくらか
という順序で説明することです。
「払えない」ではなく「こう配分したい」という説明に変えることで、受け止められ方が変わる可能性があります。
新婦さん側の意向を確認する前に結論を出さないことが重要です
結納金の有無は、受け取る側の意向が影響します。
新婦さんの親御さんが「不要」と考える場合もあれば、「形だけでも必要」と考える場合もあります。
確認前に「なしで決まり」と進めると、感情的な対立に発展する可能性があります。
伝えるときは「事情」と「代替案」をセットにします
結納金が厳しい事情を伝えるなら、代替案までセットで提示することが望ましいです。
たとえば、以下のような言い回しが考えられます。
- 「結婚式や新生活の費用を含めて総額でこれくらい負担したいと考えています」
- 「その中で結納金として用意できるのはこの金額になりそうです」
- 「不足分は新居費用でこちらが多めに負担する形も検討しています」
「できない」だけで終わらせず、責任の取り方を示すことがポイントです。
結納金を巡るよくある疑問
結納金がないと失礼に当たりますか
結納自体を行わない、顔合わせのみで進める、結納金を省略する、といった形は広がっています。
そのため、一般論として「結納金がない=即失礼」とは言い切れません。
ただし、親御さんの価値観や地域の慣習によっては、失礼だと感じられる可能性があります。
失礼かどうかは制度ではなく、相手の受け止め方に左右される面が大きいと考えられます。
結納金を払えないのに、結婚してよいのか不安です
結納金の有無と、結婚生活を営む力は必ずしも一致しません。
むしろ、結婚後の生活を安定させる観点では、無理な出費を避け、支出計画を立てることの方が重要になる可能性があります。
ただし、相手の親御さんに対して説明責任が生じる場面はあります。
その意味で、問題は「払えないこと」そのものより、合意形成のプロセスだと言えます。
借金して結納金を用意した方がよいのでしょうか
借金で結納金を用意するかどうかは、慎重な判断が必要です。
結婚直後は、住居費や生活費が増えやすく、資金繰りの余裕が重要です。
短期ローンやカード利用で無理をすると、その後の生活に影響が出る可能性があります。
親御さんが「借金してでも」と望むケースは限定的と思われますが、もしそうした圧力がある場合は、当人同士で状況を整理し、第三者(親族、式場担当者、専門家)を交えて調整する方法も考えられます。
結納金払えない悩みの整理と次の一手
結納金を払えない悩みは、金額の問題であると同時に、両家の価値観をどうすり合わせるかという問題でもあります。
整理すると、重要なポイントは以下です。
- 結納をするカップルは少数派で、顔合わせ中心が主流とされています
- 結納金の平均は約95万2,000円とされ、負担が大きくなりやすいです
- 結納金なし・減額・別費用で調整など、現実的な選択肢があります
- 一方的に「払わない」と決めず、新婦さん側の意向も踏まえて合意形成することが大切です
- 「結納金だけ」ではなく結婚費用全体で説明すると、納得されやすい可能性があります
結納金をどうするかは、正解が一つではありません。
だからこそ、数字と気持ちの両面を丁寧に扱い、両家が納得できる落としどころを探すことが現実的です。
誠意は「金額の多さ」だけで測られないと考えられます
結納金を払えないと感じると、「相手の親御さんにどう思われるか」「結婚を反対されるのではないか」と不安になりやすいです。
しかし、多くの場合、親御さんが見ているのは金額そのものだけではなく、
- 新郎さんと新婦さんが真剣に将来設計をしているか
- 話し合いから逃げずに向き合っているか
- 相手家族への敬意があるか
といった姿勢面も大きいと思われます。
まずは当人同士で、支出予定と負担可能額を言語化してみてください。
その上で、結納をするのか、顔合わせ中心にするのか、結納金をどう位置づけるのかを、段階的に相談していくことが大切です。
無理のない計画で、両家の気持ちを尊重しながら進めることが、結果として結婚生活の安心につながると考えられます。